【特集】高級家具は何が違うのか|素材の配分と、面のつくり方で読み解く

「高級家具」という言葉は、どこか曖昧です。価格が高いから高級なのか、名の知れたブランドだから高級なのか。けれど一台の家具をつくる側から見ると、高級かどうかは値札やロゴではなく、小さな判断の積み重ねとして現れます。どの部位に、どこまで手をかけるか。その総和が、毎日の手ざわりと、十年後の姿を分けます。

その判断を一言でまとめるなら、高級とは「全部を上等にすること」ではなく「どこに一番強い素材を置くかを決めきること」です。そしてもう一つ、決めきったあとに、機能を一つも増やさないのにコストだけが増える仕事 ── 角を丸める、取っ手を消す、配線を隠す ── を引き受けているかどうか。この二つが、量産の家具と高級家具を静かに分けています。

ACEX では、家具をつくるときに繰り返している四つの判断を追いかけます。テーブルでも、収納でも、ベッドでも、床に敷くものや窓に掛けるものでも、同じ判断が現れます。だからこそ、カテゴリをまたいで少しずつ買い足しても、部屋はひとつにまとまる。

目次

1.どこに一番強い素材を置くか ── 触れる面、あずける面、支える箱体

2.手が触れるところを、すべて処理する ── 角と縁、引き手、動く部分

3.家具を「部屋の面」として設計する ── 光で変わる表情と、低く構える造形

4.住まいの寸法から逆算する ── 測ってから選び、届いてから確かめる

5.まとめ ── 高級は、決めきることの積み重ね

ACEXは3つのコアバリュー(価値基準)を遵守します。 高品質の保証、すべての製品はプレミアムな素材を使用し、一流生産工場や職人たちと提携して製造に取り組んでいます。 適正な価格の保証、コストパフォーマンスに優れた高品質の輸入家具をお届けします。 最高なショッピング体験の保証、商品購入・返品、カスタマーサポート、お問い合わせなど、素早く対応し、大満足まで尽くします。 ACEXは3つのコアバリュー(価値基準)を遵守します。 高品質の保証、すべての製品はプレミアムな素材を使用し、一流生産工場や職人たちと提携して製造に取り組んでいます。 適正な価格の保証、コストパフォーマンスに優れた高品質の輸入家具をお届けします。 最高なショッピング体験の保証、商品購入・返品、カスタマーサポート、お問い合わせなど、素早く対応し、大満足まで尽くします。

1.どこに一番強い素材を置くか

── 触れる面、あずける面、支える箱体

家具を素材で語るとき、つい「何が使われているか」だけを見てしまいます。けれど本当に見るべきなのは、どの部位に何が割り当てられているかという配分のほうです。一台の家具は、役割の違う三つの部分に分けられます。手や物が触れる面。身体をあずける面。そして、荷重を受けて形を保つ箱体や骨格です。

手や物が触れる面には、素材のコストが集中します。天板は嘘のつけない部分で、毎日もっとも過酷に使われるからです。ただしここに置かれる素材は、性格の違う二系統に分かれます。ひとつは、高温で焼き固めたセラミック系の面材や強化ガラスのように、ほとんど孔を持たず、水も汚れも染み込みにくい系統。日々の手入れは軽くて済みます。

もうひとつは、天然の石や革のように、風合いと表情を優先する代わりに細かな孔を持つ系統で、浸透を防ぐ処理と日々の手当てが前提になります。同じ石に見えても、天然の石と焼き固めた石では性格が違う。どちらが上ということではなく、どこに置くかで選び分けるものです。硬質な面材の性質については岩板素材の魅力でもご紹介しています。

身体をあずける面は、つくり方がまったく違います。骨格の上に硬さの違うクッション材を重ね、外側を張地でくるむ。座り心地や寝心地は単一の素材ではなく、層の順番で決まります。沈み込みを受け止める層と、身体を支え続ける層は役割が別で、その積み方が長い時間を過ごしたあとの疲れ方を変えます。

残る箱体の仕事は、荷重を受け、寸法を狂わせずに保つことです。木質のボードが選ばれるのは手を抜いているからではなく、役割に合っているから。木質のボードにも、密度や作り方の違ういくつもの種類があり、どれを使うかは箱体に求められる仕事で決まります。ここを合理化できるからこそ、触れる面に配分を寄せられるのです。

この「一枚で済ませない」という考え方は、家具の外にも通っています。床に敷くものは、表地の素材だけでなく、厚みや毛足、滑りにくさ、音の吸い方といった項目が商品ごとに書き分けられ、裏地を持つものもあります。窓に掛けるものは、光をどこまで入れるかが商品ごとに分かれ、熱や音への働きを併せ持つものもある。壁に掛ける絵は、描かれた面を枠と裏板で支えたうえで、前面に透明の板を入れるかどうかを選べるようになっています。絵肌をそのまま見せるか、前面で守るか。どれも、一枚で済ませずに役割を分けるという同じ考え方でできています。部屋の面をつくるものは、どれも同じ思想でできています。

無垢材や天然木は、この配分のなかで二通りの現れ方をします。ひとつは、椅子やベンチの座面、テーブルの天板や脚のように、主役として表に出る使われ方。木目の奥行きや節の表情がそのまま価値になり、プリントや突板では代えのきかない部分です。もうひとつは、ベッドのフレームのように、クッションと張地の下に隠れる使われ方。目に一度も触れないまま、軋まない・ぐらつかないという体験としてだけ現れます。確認できない場所の仕事に対価を払う ── 高級とは、そういう性格も併せ持っています。

2.手が触れるところを、すべて処理する

── 角と縁、引き手、動く部分

高級かどうかがいちばん表れるのは、写真ではまず判断できない場所です。身体や手が家具と出会う境界 ── 角、縁、引き手、開け閉めの動き ── を、どこまで処理しきっているか。

角と縁は、丸く落とすか、面を取るか、磨き上げるか。やり方は違っても狙いは共通で、手が引っかからないことと、ぶつかっても痛くないことです。無意識に触れたときの当たりのやわらかさが、その家具への印象を静かに決めています。小さなお子さまのいるご家庭ではなおさらです。身体をあずける家具では、角を丸めるのではなく、フレームの縁や全周にクッションを回してしまう例もあります。硬い部分をそもそも残さない、という一段強い答えの出し方です。

取っ手をあえて付けないという判断も、この延長線上にあります。前板に手を掛ける隠しの引き手、押すと開く機構、内側のラッチ。どれも取っ手を付けるより部品も手間も増えます。面の連続を切りたくない、金具で木目や石の表情を遮りたくない ── その理由だけのために機構を足しているわけです。機能は一つも増えないのにコストだけが上がる仕事で、量産の家具が最初に削るのもここです。

表面の後処理も、同じ性格を持っています。石や革のように細かな孔を持つ素材には、染みが入り込まないよう浸透を防ぐ処理をかける。枕元に置く家具の天板には、物が落ちないよう縁を立ち上げる。どれも、日常の小さな引っかかりを一つずつ消すための仕事です。

そして動く部分は、時間が経つほど差が出ます。引き出しが最後までまっすぐ出るか、物を入れた状態でも滑らかに動くか、閉まる直前に音と衝撃がやわらぐか。ここには必ず部品が入っていて、その質が毎日の使い心地を決めます。レールの種類や開閉の機構は、商品情報に書かれていることもあれば、書かれていないこともあります。引き出しの多い家具を選ぶときは、この部分を問い合わせておくと、届いてからの印象が変わります。

3.家具を「部屋の面」として設計する

── 光で変わる表情と、低く構える造形

大きな家具は、部屋に置かれる「物」であると同時に、壁や床の一部として視界に入り続ける「面」でもあります。テレビまわりの収納は壁の大きな面積を占め、床にはラグが、窓にはカーテンが広がる。面として何が起きるかまで設計しているかが、三つ目の分かれ目です。

まず、その面をのっぺりと平らにしないための工夫があります。前面を彫り込む、リブや波形の立体に仕上げる、木目や年輪のような陰影をつくる。狙いはどれも、光の当たる角度で表情が動くようにすること。同じ家具が、朝の光と夜の照明とでは違って見えます。同じ意匠でマットと光沢を選べるようにしてあるものや、照明と組み合わせて面の見え方を変えられるようにしてあるものもあります。装飾を足すためではなく、面に情報量を持たせるための設計です。

もう一つは、重いものを軽く見せる操作です。低く、長く構える。脚を細くして床を見せる。ときには脚を内側に引き込んで、浮いているように見せる。硬質な面材を使えばどうしても重くなりますが、その塊を視覚的に軽くしなければ、天井の高さに限りのある日本の住まいでは圧迫感になります。低く構える造形は、意匠のための意匠ではなく、住環境への回答です。

そして、その細さは造形の好みである前に、構造の答えでもあります。硬く薄い面材を芯材に載せて一枚の天板にすれば、薄く見せながら必要な剛性を確保できる。金属は木より強いから、脚を細くしても支えきれる。素材の格と構造の格を釣り合わせる ── 見た目の軽さは、内側の計算と対になっています。

色にも規律があります。無彩色と木の色、石の脈の色に絞り込み、彩度の高い色をほとんど使わない。石の柄を、その脈の色で呼び分けるほどに語彙が絞られています。様式そのものは、北欧からイタリア、クラシカル、幾何学的なものまで幅があります。それでも部屋がまとまるのは、色と寸法に規律が通っているからです。高さのような基本の寸法も、むやみに散らさない。地味な規律ですが、効いてくるのは買い足したときです。テーブルと収納とベッドを別々の時期に迎えても、造形と色に同じ規律が通っていれば、部屋はちぐはぐになりません。少しずつ揃えていく前提なら、一台の完成度と同じくらい、ブランドの中の一貫性が効いてきます。

なお、立体的な面ほど、写真と実物では印象が変わります。色と質感は、置く部屋の光の下で確かめるのが確実です。

4.住まいの寸法から逆算する

── 測ってから選び、届いてから確かめる

ACEX の家具は、ほとんどが寸法の選択を伴います。天板が伸びるもの、幅を変えられるもの、収納部を左右どちらに置くかを選べるもの。左右については、注文時に向きを指定するものと、組み立てのときに向きを変えられるものがあります。どちらの方式かは商品によって違いますので、置き場所と動線を先に決めたうえで、商品ページで確かめてください。

窓に掛けるもののように、丈と幅と仕立て方まで指定してつくるカテゴリもあります。部屋に家具を合わせるのではなく、部屋の寸法から仕様を決めていく買い方が前提なのです。その代わり、受注してからつくられるものが含まれるため、在庫から選んですぐ届く買い物とは時間の流れが違います。

だからこそ、買う前に測る手順を省かないでください。

一つ目は、置きたい場所の寸法です。家具が収まるかだけでなく、人が通る余白、椅子を引く余白、引き出しや扉を開けきる余白まで含めて考えます。

二つ目は、搬入経路の寸法です。玄関のドア、共用廊下、エレベーターの間口と内寸、階段の踊り場と曲がり角、室内の通路。大型の家具は、この経路のどこか一か所でも通らなければ家に入れられません。ACEXでは搬入経路確認ガイドもご用意しています。

ACEX の高級は、四つの判断でできています。触れ方の違う面に、違う素材を配分しきること。手が触れる境界を、機能が増えないと分かっていても処理しきること。家具を部屋の面として、光の下で設計すること。そして、住まいの寸法から逆算して仕様を決めること。派手な話ではありませんが、この積み重ねが毎日の手ざわりと、長く使ったあとの姿をつくります。

とはいえ、画面越しに質感を確かめるのは簡単ではありません。気になる素材があれば、まずは素材サンプルを取り寄せて、ご自宅の光の下で手ざわりと色味を確かめるところから始めてみてください。サンプル申請や商品寸法、搬入経路のご相談などは、LINE やメール(cs@acex.jp)でお気軽にどうぞ。コレクションを眺めながら、長く一緒に暮らす一台を、ゆっくり選んでいただけたら幸いです。