目次

１．ホルムアルデヒドとは？

２．家具に含まれるホルムアルデヒドの実際のリスク

３．新しい家具を購入した後のホルムアルデヒド対策

４．家庭でできるホルムアルデヒド対策

ホルムアルデヒドは、家具や建材に含まれる有害物質として知られていますが、その影響については誇張された情報や誤解が広まっています。

ACEXでは、ホルムアルデヒドに関するよくある誤解と、それに対する科学的な正しい知識を提供します。ホルムアルデヒドに対する過度な不安を避け、適切な対策を取ることで、健康を守りながら安心して家具を使用するためのヒントを紹介します。

① ホルムアルデヒドの定義

ホルムアルデヒド（formaldehyde）は、化学式CH₂Oで表される無色の気体で、特有の強い臭いを持つ化学物質です。防腐剤や消毒剤としても使用され、揮発性有機化合物（VOC）の一種です。

② なぜ家具に含まれるのか？

ホルムアルデヒドは、特に接着剤や塗料の成分として使用されることが多く、家具の製造過程で使用されます。加工木材を接着するために使用される接着剤にホルムアルデヒドが含まれていることが多いです。また、塗料の硬化剤としても利用されることがあり、乾燥過程で揮発します。

③ 室内空気汚染の原因となる理由

家具から放出されるホルムアルデヒドは、室内空気汚染の主要な原因の一つです。ホルムアルデヒドは揮発しやすく、特に新しい家具や施工直後の建材から大量に放出され、長期間にわたって低レベルでの放出が続くことがあります。

このため、室内の空気中にホルムアルデヒドが蓄積し、シックハウス症候群などの健康被害を引き起こすことがあります。

２．家具に含まれるホルムアルデヒドの実際のリスク

よくある誤解：すべての家具が高いホルムアルデヒドを放出する

ホルムアルデヒドは、家具に含まれる化学物質として広く認識されていますが、「すべての家具が高濃度のホルムアルデヒドを放出する」という誤解があります。実際には、ホルムアルデヒドの放出量は家具の種類や製造過程に大きく依存します。

例えば、接着剤や塗料にホルムアルデヒドを多く含む家具は高い放出量を示しますが、現代の多くの家具は、ホルムアルデヒドの放出量が厳しい規制（F☆☆☆☆（エフフォースター））のもとで製造されており、放出量が低い製品も多数あります。

また、ホルムアルデヒドのリスクを避けるためには、無垢材や天然木、ガラス、高級シントレードストーン(セラミックの一種)、大理石などの自然素材を使用した家具を選ぶのが有効です。無垢材は、化学的な接着剤を使わず、木そのものを加工して作られるため、ホルムアルデヒドの放出量が非常に少ないです。自然由来の素材やエコロジー塗料を使用した家具も、ホルムアルデヒドを含まない製品として人気があります。

① 換気の徹底と空気清浄機の使用

新しい家具を購入した後は、まず換気を徹底しましょう。ホルムアルデヒドは揮発性が高いため、窓を開けて定期的に空気の入れ替えを行うことで、室内のホルムアルデヒド濃度を下げることができます。

また、ホルムアルデヒド除去フィルター付きの空気清浄機を併用することで、室内空気中の有害物質を効果的に除去できます。

② 新しい家具を風通しの良い場所に置く

新しい家具は、室内に持ち込む前に、風通しの良い場所で数日間放置しておくと、初期のホルムアルデヒド放出を減らすことができます。特に玄関やバルコニーなどの外気が入る場所で、数日から1週間程度置いておくことをおすすめします。

③ 防止シートやカバーを活用したホルムアルデヒド対策

ホルムアルデヒドの放出を抑えるために、防止シートや家具カバーを使用することも効果的です。これらのカバーは、ホルムアルデヒドを閉じ込め、室内に放出される量を減らす効果があります。また、シートやカバーは定期的に交換することで、さらなる効果を得ることができます。

４．安全な使用方法でリスクを最小限にできる点

よくある誤解：ホルムアルデヒドが含まれる家具はすべて危険

ホルムアルデヒドが含まれている家具がすべて危険という誤解も広がっています。ホルムアルデヒド自体は確かに有害物質ですが、そのリスクは家具の使い方や環境によって大きく異なります。

適切な対策を講じることで、安全に使用することが可能です。正しい知識: 新しい家具を購入した際は、初期の高い放出量を抑えるために、風通しの良い場所で家具を数日間放置するか、換気を徹底することでホルムアルデヒドのリスクを大幅に低減できます。

さらに、ホルムアルデヒド吸着機能のある空気清浄機を使用すれば、室内空気を清浄に保つことができます。これらの対策を行えば、実生活での健康リスクは最小限に抑えられます。

５．家庭でできるホルムアルデヒド対策

科学的研究では、ホルムアルデヒドの濃度が0.08 ppm（0.1 mg/m³）以下の環境では、ほとんどの人に健康へのリスクがないことが示されています。

日本の室内空気環境基準においても、0.08 ppmが基準値として設定されており、これを超えない環境であれば、健康に悪影響が及ぶ可能性は低いとされています。適切な換気や低ホルムアルデヒド製品を使用することで、この基準内に抑えることができます。

① 観葉植物や活性炭を使った室内空気浄化法

室内のホルムアルデヒド濃度を下げるために、観葉植物や活性炭を活用することもおすすめです。観葉植物は、ホルムアルデヒドや他のVOCを吸収・分解する能力があるとされています。

特にサンスベリアやアロエ、アイビーなどは効果的です。また、活性炭は吸着力が強く、有害物質を捕捉して空気を浄化します。

② 換気の習慣化と定期的な空気の入れ替え

日常的に換気を行うことが、ホルムアルデヒドの影響を抑える最も基本的な対策です。特に、朝と夕方の涼しい時間帯に15分以上の換気を行うことで、室内にたまった有害物質を外に逃がし、空気の質を改善します。また、換気扇を定期的に使用することも効果的です。

③ 家具の配置や部屋ごとの使用環境を工夫

家具の配置も、ホルムアルデヒド対策に役立ちます。例えば、家具を直射日光の当たらない場所に配置することで、ホルムアルデヒドの放出を抑えることができます。温度や湿度が高いとホルムアルデヒドの揮発が進むため、適切な温度管理を行うことも大切です。

また、新しい家具を子ども部屋や寝室に直接配置しないようにし、ホルムアルデヒドの影響が最も少ない場所を選びましょう。

ホルムアルデヒドは、家具や建材に含まれる有害物質で、特に新しい家具から大量に放出されるため、健康への影響が懸念されます。しかし、適切な知識と対策を取ることで、そのリスクを大幅に低減できます。
F☆☆☆☆認証製品や無垢材の家具を選ぶこと、換気や空気清浄機を活用して室内の空気を清潔に保つことが、ホルムアルデヒドの影響を抑えるための効果的な方法です。
また、観葉植物や活性炭を使った自然な空気浄化法も有効です。これらの対策を日常生活に取り入れることで、安心して過ごせる快適な住環境を作りましょう。